
「何度も何度もインターホンを鳴らしたのに、出てくれなかった」
そんな経験をした瞬間、親の老いを実感し、何かしなければと焦った方も多いはずです。
でも「耳が悪くなった」と指摘すれば傷つけてしまう。
補聴器を勧めても拒否される。
どうすれば良いのか、答えが見つからないまま時間だけが過ぎていく…。
この記事では、そんなジレンマを抱える家族のために、親の自尊心を守りながら対策を進める具体的な方法を紹介します。
工事不要の手軽な方法から本格的な交換まで、7つの選択肢を状況別に整理しました。
「試しに使ってみない?」と提案できる軽いトーンの伝え方、実際のセリフ例も掲載。今日から行動できます。
高齢者のインターホンが聞こえない時に今すぐ試せる対策3選

高額な機器購入や工事を検討する前に、まず無料または低予算で試せる方法があります。
インターホンの音量設定を最大にする、
ワイヤレスチャイムで別の部屋にも音を届ける、
光で視覚的に知らせる補助機器を追加する、
この3つの対策は今日から実践可能です。
賃貸住宅でも工事不要で設置でき、親御さんの抵抗感も少ない方法ばかりです。
「まず試してみる」という軽い気持ちで始められるため、本人の了承も得やすいでしょう。以下、それぞれの具体的な手順と費用目安を解説します。
対策① インターホンの音量を最大にする【所要時間5分】
現在使っているインターホンの音量設定を確認するだけで、問題が解決するケースは意外と多くあります。
多くの機種では音量が「小・中・大」の3段階、または5段階で調整可能です。親御さんが気づかないのは、音量が「中」のまま長年使われているためかもしれません。
設定方法は機種によって異なりますが、親機本体の側面や底面に小さなボタンやダイヤルがあるのが一般的です。
パナソニック製なら「音量」ボタンを長押し、
アイホン製なら本体カバーを開けて内部のスイッチで調整します。
取扱説明書が見つからない場合は、メーカー名と型番をスマートフォンで検索すれば、PDF版の説明書がすぐに見つかります。
音量だけでなく、音色の変更も効果的です。
多くの機種では「ピンポン」という高音から、「ピンポーン」という低音で長めの音に変更できます。
高齢者は高音域が聞き取りにくくなるため、低音で長い音のほうが認識しやすくなります。
設定変更後は、実際に外からインターホンを鳴らして、親御さんがいる場所で聞こえるか確認しましょう。
アイホン(AIPHONE) ROCO(ロコ)シリーズ

音量調節はもちろん、受話音量も大きくできるため、聞き取りやすいのが特徴です。
シンプルなデザインと操作性、録画機能付きの機種もあり。
パナソニック(Panasonic) テレビドアホン VL-SE30KL

音声だけでなく、映像で来客を確認できるテレビドアホンです。
音量調節機能も充実しています。
モニター画面で来客を確認、録画機能で留守中の来客も確認可能です。
対策② ワイヤレスチャイムを別の部屋に増設する【予算3,000円?】
玄関のインターホンは聞こえても、リビングや寝室、2階にいると気づかないケースには、ワイヤレスチャイムの増設が有効です。
既存のインターホンはそのままに、来客時に別の部屋でも音が鳴る仕組みを追加できます。
工事不要で設置できるため、賃貸住宅でも問題なく使えます。
「インターホン 別の部屋 聞こえない」という悩みを解決する製品は、家電量販店やネット通販で3,000円程度から購入可能です。
基本的な仕組みは、玄関に送信機、親御さんがよくいる部屋に受信機を置くだけです。
送信機は既存のインターホンの音を感知して無線で受信機に信号を送り、受信機が音や光で知らせます。
選ぶ際のポイントは3つあります。
音量調整ができること、
光でも知らせる機能があること、
電源方式(電池式かコンセント式か)
の確認です。
電池式は設置場所を選びませんが、定期的な電池交換が必要になります。
コンセント式は交換の手間がない反面、コンセントの近くにしか置けません。
親御さんの生活パターンに合わせて選びましょう。
おすすめ製品の例として、
リーベックス「X830」(光+音、音量4段階調整可、電池式、約3,500円)、
ELPA「EWS-S5034」(光+音+バイブ、コンセント式、約4,800円)、
オーム電機「OCH-M40」(低価格モデル、音のみ、約2,800円)
などがあります。
まずは低価格モデルで試し、効果があれば本格的な製品に切り替える方法も賢い選択です。
ワイヤレスチャイムの増設
上記で紹介したリーベックスのXシリーズなど、様々なメーカーからワイヤレスチャイムが販売されています。
既存のインターホンに加えて、聞こえにくい場所に受信機を増設することで、より確実に知らせることができます。
これ以外にも豊富な種類の送信機(押しボタン、人感センサー、ドアセンサーなど)、選べるチャイム音、光の色も複数から選択可能です。
インターホンに連動する機器
- 音・振動センサー
市販の音・振動センサーをインターホンに取り付けることで、インターホンの音や振動を感知して、別の場所で光や音で知らせることが可能です。例えば、以下の製品などが利用できます。
例;リーベックス(Revex) 呼び出しピカピカチャイム
(音センサーがインターホンの音に反応して光と音でお知らせ。) - 無線インターホン
無線式のインターホンに交換することで、親機を複数箇所に設置したり、持ち運びできるタイプを使用したりすることが可能です。
例;パナソニック(Panasonic) ワイヤレステレビドアホン VL-SGD10L
(ワイヤレスで持ち運びできるモニター親機で、どこにいても来客対応が可能。)
対策③ 光で知らせる補助機器を追加する【予算5,000円?】
聴覚だけに頼らず、視覚でも来客を知らせる補助機器を追加すると、テレビを見ている時や掃除機をかけている時でも気づきやすくなります。
特に高齢者は複数の音が重なると特定の音を聞き分けにくくなるため、光による通知は非常に効果的です。
光+音の複合タイプなら、聞こえにくい状況でも見逃しを防げます。
製品には大きく2種類あります。
既存のインターホンの音を感知して光るタイプとインターホン本体と連動するタイプです。
前者は工事不要で設置が簡単ですが、音を正確に感知できる位置に置く必要があります。
後者は確実に連動しますが、インターホン本体の機種によっては対応していない場合もあるため、購入前の確認が必須です。
光の種類も重要なポイントです。
LED電球のように部屋全体を照らすタイプ、
ストロボのように強く点滅するタイプ、
置き型ランプのように卓上で光るタイプ
があります。
リビングで過ごすことが多い場合は卓上タイプ、
家中を移動することが多い場合は天井照明と連動するタイプ
が向いています。
親御さんの生活動線に合わせて選びましょう。
予算5,000円から8,000円程度で、音量調整と光の強さ調整ができる製品が手に入ります。
まずは試してみて、親御さんの反応を見ながら設置場所や光の強さを調整していくのが現実的です。
インターホンの音が聞こえない高齢者のために、その対策としてユニークな商品がメーカーから販売されています。
ですが高齢者向けのインターホンやチャイムは様々な種類があり、それぞれの特徴や機能も異なります。
具体的な機種や機器をいくつかご紹介します。
パナソニック(Panasonic) 光るチャイム

パナソニックの「光るチャイム」は、来客を音だけでなく光でも知らせることで、耳の不自由な方や騒がしい環境にいる方でも訪問者に気づきやすくする製品です。
- 音と光で通知
通常のチャイム音(ピンポン)とともに、フラッシュランプが点滅して来客を知らせます。 - 広範囲に光を照射
本体正面と側面から光を放つため、広い範囲に光が届き、気づきやすい設計になっています。 - 音量・光量調整
- 音量と光の強さを調整できるため、使用環境や個々の状況に合わせて最適な設定にできます。
- 光のみでの通知も可能:
音を鳴らさずに光だけで通知する設定も可能です。 - 他の機器との連携
パナソニック製のドアホン(「外でもドアホン」「どこでもドアホン」など)と接続することで、ドアホン子機からの呼び出しに連動して光るチャイムが作動します。また、家庭内の呼び出しボタンとしても使用できます。
つまり、パナソニックの「光るチャイム」は、聴覚に不安のある方だけでなく、様々な状況で来客を知らせる便利なツールと言えます。
主な製品としては、「EC170P」という品番で販売されています。
詳細はパナソニックのウェブサイトや家電量販店などで確認できます。
リーベックス(Revex) ワイヤレスチャイム XPシリーズ

リーベックス(Revex) ワイヤレスチャイム Xシリーズは、音と光で知らせるだけでなく、複数の送信機・受信機を組み合わせて様々な用途に使えるワイヤレスチャイムです。
玄関だけでなく、室内の呼び出しにも使えます。
個人的にはこれくらいのシグナルで教えてくれると助かると思いますがいかがでしょうか?
テレビの音が大音量でインターホンが聞こえない

高齢者にとって、テレビは唯一の社会との接点です。
ですので、観る?観ない?にかかわらず一日中テレビをつけっぱなしにしていることでしょう。
そこで、問題に
なるのが
テレビの音が大音量すぎてインターホンが聞こえない
という問題です。
インターホンの対策も重要ですが、テレビの音量にも注意してみてくださいね。
高齢者がインターホンに聞こえない5つの原因を徹底解説

「なぜ親はインターホンに気づかないのか」を理解すれば、より効果的な対策を選べるようになります。単純に「耳が遠い」だけではなく、加齢による聴力の特性、音の方向感覚の衰え、住宅構造、機器の劣化、本人の心理的要因という5つの原因が複合的に絡んでいます。
それぞれの原因を正しく把握することで、「音量を上げるだけでは不十分」「補聴器があっても解決しない」理由が見えてきます。以下、医学的根拠と実例をもとに、各原因を詳しく解説します。
加齢による高音域の聴力低下(老人性難聴)
加齢に伴う聴力低下(老人性難聴)は、すべての音が均等に聞こえにくくなるわけではありません。
特に2,000Hz以上の高音域から徐々に聞き取りにくくなる特徴があります。
一般的なインターホンの「ピンポン」という音は2,000?4,000Hz付近の高音域で鳴るため、高齢者にとって最も聞こえにくい音の一つです。
厚生労働省の調査によると、70歳以上の約半数が何らかの聴力低下を抱えているとされています。
日常会話は500?2,000Hzの範囲で行われるため、会話に支障がなくても高音のインターホンだけ聞こえないケースは珍しくありません。
本人も「会話はできているから大丈夫」と思い込み、聴力低下に気づいていない場合が多いのです。
補聴器をつけていてもインターホンが聞こえない理由もここにあります。
補聴器は主に会話に必要な音域を増幅するよう調整されているため、インターホンの高音域は十分に増幅されていない可能性があります。
補聴器を使っている親御さんの場合、補聴器店や耳鼻科医と相談し、インターホンの音域も増幅するよう再調整してもらうことも検討しましょう。
音の方向感覚が鈍り、どこから鳴っているかわからない
高齢になると、音がどこから聞こえてくるのかを判断する能力(音源定位能力)も低下します。
音は聞こえていても、それが玄関のインターホンだと認識できず、
「何か鳴っているけど何だろう?」
という状態になってしまうのです。
特に複数の音が同時に鳴っている環境では、目的の音を聞き分けることがさらに難しくなります。
テレビをつけている、換気扇が回っている、エアコンが動いているなど、生活音が重なる状況では、インターホンの音が他の音にかき消されてしまいます。若い人なら無意識に「玄関のインターホンが鳴った」と判断できますが、高齢者はこの判断に時間がかかり、結果的に気づかないまま時間が過ぎてしまいます。
対策としては、インターホンの音を他の生活音と明確に区別できるものに変更することが有効です。
「ピンポン」ではなく「メロディ」に変更する、低音で長めに鳴る設定にするなど、他の音と混同しにくい工夫が必要です。
また、テレビの音量を下げる習慣をつけることも、根本的な改善につながります。
2階や離れた部屋にいると物理的に届かない
「2階にいるとインターホンの音が聞こえない」という悩みは、聴力の問題ではなく物理的な音の減衰が原因です。
インターホンの音は玄関から発せられるため、2階やリビング、寝室など離れた場所では音量が大幅に小さくなります。
特に木造住宅では壁や床による遮音効果が低く、音が届きにくい構造になっています。
逆に鉄筋コンクリート造(RC造)の住宅では遮音性が高いため、同じ階でも扉を閉めた部屋にいると音がほとんど聞こえません。
二世帯住宅で親世帯が2階に住んでいる、寝室が玄関から最も遠い位置にある、といったケースでは、インターホンの音量を最大にしても物理的に届かない可能性があります。
この場合、前に紹介したワイヤレスチャイムの増設が最も効果的です。
親御さんがよくいる場所に受信機を置くことで、玄関から遠い場所でも確実に音を届けられます。
複数の部屋を行き来する生活パターンなら、2台、3台と受信機を増やすことも検討しましょう。受信機1台あたり2,000?3,000円程度なので、複数設置しても1万円以内に収まります。
インターホン本体の劣化・故障
インターホン本体の耐用年数は一般的に10?15年程度とされています。
それ以上使い続けている場合、スピーカー部分の劣化や内部回路の経年変化により、音量が徐々に小さくなっている可能性があります。
特にスピーカー部分に埃が溜まると、音がこもって聞こえにくくなります。
設置から10年以上経過している、
音が割れて聞こえる、
音量を最大にしても小さいと感じる、
こうした症状がある場合は機器の劣化を疑いましょう。
スピーカー部分の埃は柔らかいブラシや掃除機で取り除けますが、内部の劣化は修理できません。
この場合、本体の交換を検討する時期に来ています。
インターホン本体の交換は、単なる故障対応ではなく、高齢者向けの機能を追加する好機でもあります。
大音量タイプ、
低音で聞き取りやすいタイプ、
モニター付きで視覚でも確認できるタイプ
など、最新機種は高齢者の特性に配慮した設計になっています。
予算は工事費込みで3万円から5万円程度です。
持ち家なら長期的な投資として検討する価値があります。
本人が「聞こえている」と思い込んでいる心理
身体機能の衰えを認めることは、誰にとっても心理的なハードルが高いものです。
「耳が遠くなった」と認めることは、自分が老いたことを受け入れることを意味します。
プライドや自尊心が邪魔をして、「聞こえている」「たまたま気づかなかっただけ」と自己正当化してしまうのです。
家族に心配をかけたくないという思いも、問題を隠す要因になります。
「聞こえない」と言えば、「補聴器が必要」「施設に入らなければ」と大げさに心配されると考え、あえて問題を小さく見せようとします。
また、加齢による変化は徐々に進むため、本人自身が変化に気づいていないケースも多くあります。
この心理的な壁を乗り越えるには、「耳の問題」ではなく「インターホンの問題」として話を進めることが有効です。「最近のインターホンは音が小さくて困るよね」「機械が古くなったから調子が悪いみたい」と、機器側に原因があるという伝え方なら、本人の自尊心を傷つけずに対策を提案できます。具体的な伝え方はH2-4で詳しく解説します。
高齢者に「インターホンが聞こえない対策」を受け入れてもらう伝え方

どれだけ優れた対策も、親御さん本人が受け入れなければ意味がありません。
「耳が遠くなった」という事実を指摘されることは、自尊心を傷つけ、強い拒否反応を生む可能性があります。
このセクションでは、傷つけずに対策を提案する伝え方、実際に使ってもらうための工夫、それでも拒否された場合の次の一手を解説します。
相手の立場に立ち、プライドを守りながら、安全を確保するコミュニケーション術が求められます。
以下、NGな言い方と効果的な言い方を具体的なセリフ付きで紹介します。
絶対NGな言い方・傷つける表現
「耳が悪くなったね」
「もう年なんだから認めなさい」
「いい加減補聴器つけたら?」
こうした直接的な表現は、親御さんの自尊心を深く傷つけます。
老いを指摘されることは、誰にとっても受け入れがたいものです。特に、これまで自立して生活してきた親にとって、「できないこと」を指摘されるのは屈辱的に感じられます。
「みんなやってるよ」
「普通はこうするものだよ」
lこれもプレッシャーをかける言い方も逆効果です。
「自分は普通じゃない」と感じさせ、かえって頑なな拒否を招きます。
「私が心配だから」という自分本位な理由も、「あなたのために」という押し付けがましさを感じさせます。
「前も言ったよね」
「何度言えばわかるの」
という責める口調は、最も避けるべき表現です。
記憶力の低下や認知機能の問題がある場合、繰り返し同じ話をすること自体が苦痛になります。
イライラした態度は、親子関係そのものを悪化させ、今後の介護や見守りにも悪影響を及ぼします。
効果的な伝え方の具体例(セリフ付き)
このように、機器側の問題として話を進めると、親御さんの自尊心を傷つけずに済みます。
「私も」という共感の言葉を添えることで、「自分だけができないわけじゃない」という安心感を与えられます。
と、自分の感情を率直に伝える方法も効果的です。
責めるのではなく、心配している気持ちを素直に表現することで、親御さんも「そうだったのか」と受け止めやすくなります。
こう言って、親御さん自身が感じている不便さに焦点を当てると、「確かにそうだ」と同意を得やすくなります。
そのうえで「ちょっと音を大きくしてみようか」と提案すれば、自然な流れで対策に進めます。
と、第三者(特に孫)の声を借りる方法も有効です。
直接言われるより受け入れやすく、「孫に心配かけたくない」という気持ちが動機になります。
ただし、嘘はつかず、実際に孫が心配していることを伝えましょう。
と、ハードルを下げる提案も効果的です。
「買う」ではなく「試す」、「ずっと」ではなく「1週間だけ」という軽いトーンなら、拒否反応が薄れます。
実際に使ってみれば便利さを実感でき、そのまま継続する可能性が高まります。
実物を見せる・体験してもらう工夫
言葉で説明するより、実物を見せて体験してもらうほうが納得を得やすいケースは多くあります。
「ちょっと買い物に付き合って」と誘い、家電量販店に立ち寄る流れを作りましょう。
店員に「最近のインターホンは音が大きくて便利ですよ」と説明してもらえば、第三者からの客観的な情報として受け止められます。
実際に店頭で音を鳴らして聞き比べると、「確かに今のより聞こえやすいわね」と実感できます。
モニター付きの機種なら画面の見やすさも確認でき、「これなら誰が来たかわかるね」と興味を持つかもしれません。
店員との会話の中で自然に「うちも検討してみようかな」という気持ちになることがあります。
レンタルや返品可能な商品から試す方法もおすすめです。
一部の通販サイトやレンタルサービスでは、「30日間返品可能」「お試し期間あり」という条件で提供しています。
「気に入らなければ返せばいいから」と伝えれば、心理的なハードルが下がります。実際に使ってみて便利さを実感すれば、そのまま継続する可能性が高まります。
「うちでも同じの使ってるんだ。便利だよ」と、自分の家で実際に使っている姿を見せるのも効果的です。
家族が使っているものなら安心感があり、「そんなに良いなら試してみようかな」という気持ちになります。可能なら、親御さんの家に一時的に貸し出して、数日間使ってもらうのも良い方法です。
それでも拒否された場合の次の一手
どれだけ工夫しても、頑なに拒否される場合があります。
その場合、無理強いは逆効果です。
一度引いて、時間をおいてから再度提案するのが賢明です。
タイミングを変えれば、受け入れてもらえることもあります。
たとえば、
宅配便の不在票が溜まったタイミング、
近所の人から「インターホン鳴らしても出なかった」と言われたタイミング
など、本人が不便を実感している時が狙い目です。
ケアマネージャーや地域包括支援センターの職員から提案してもらう方法も有効です。
家族が言うと「うるさい」と感じても、専門家から言われると素直に聞くケースは多くあります。
ケアマネがいる場合は、事前に状況を説明し、訪問時に自然な流れで提案してもらうよう依頼しましょう。
地域包括支援センターでは、高齢者の生活全般について相談でき、専門職が訪問して助言してくれます。
「困った実例」を具体的に見せることも効果があります。
不在票が溜まっている写真を見せる、
宅配業者から「何度鳴らしても出なかった」と言われた事実を伝える
など現実を可視化することで、問題の深刻さを認識してもらえます。
ただし、責めるのではなく「こんなことがあって、私も困ってるんだ」という困りごとの共有として伝えましょう。
最終的に、どうしても受け入れてもらえない場合は、家族側で対応できる範囲の対策を進めます。
たとえば、スマホ連携型のカメラを玄関に設置し、親が気づかなくても家族側で来客を把握する、定期的に訪問して不在票がないか確認する、などです。
完璧な解決でなくても、リスクを減らす努力は続けましょう。
インターホンが聞こえない高齢者は他の音も聞き逃している可能性

インターホンに気づかない状態は、単なる不便ではなく、生活全体の安全リスクを示すサインです。
電話、火災報知器、救急車のサイレンなど、生命に関わる音を聞き逃している可能性があります。
このセクションでは、インターホン以外にチェックすべき「聞こえ」のリスク、聞こえないことが引き起こす生活への影響、そして医療機関を受診すべきタイミングを解説します。
聴力低下は徐々に進むため、本人も家族も気づきにくいのが特徴です。
インターホンを機に、生活全体の音環境を見直しましょう。
同時にチェックすべき「聞こえ」のリスク
インターホンが聞こえない場合、他の重要な音も聞き逃している可能性が高いと考えるべきです。
電話の呼び出し音に気づかず、家族や友人からの連絡を逃している、
火災報知器のテスト音が聞こえず、実際の火災時に避難が遅れる危険がある、
こうしたリスクを見逃してはいけません。
特に注意が必要なのは、火災報知器の音です。
火災報知器の音は高音域(3,000?4,000Hz)で鳴るため、老人性難聴の方には聞こえにくい音の代表です。
実際に火災が発生したとき、報知器が鳴っても気づかなければ、逃げ遅れて命を落とす可能性があります。
定期的にテストボタンを押し、親御さんがいる場所で聞こえるか確認しましょう。
救急車やパトカーのサイレン、
車のクラクション
なども聞こえにくくなります。
外出時に車に気づかず、事故に遭うリスクが高まります。
また、
テレビの音量が以前より大きくなった、
呼びかけても振り向かない、
聞き返すことが増えた、
こうした変化も聴力低下のサインです。
日常生活の中で、こうした変化に注意を払いましょう。
「聞こえない」が引き起こす生活面での不便
聴力低下は、単に音が聞こえないだけでなく、生活の質(QOL)全体を低下させます。
電話や来客に気づかないことで、家族や友人との連絡が途絶え、社会的孤立が進みます。
孤立は認知機能の低下を加速させ、うつ症状を引き起こす要因にもなります。
厚生労働省の研究によれば、社会的孤立は認知症リスクを約2倍に高めるとされています。
防災・防犯上の危険も深刻です。
火災報知器が聞こえなければ避難が遅れ、不審者の侵入に気づかなければ被害に遭う可能性があります。
特に一人暮らしの高齢者は、異変に気づく人が周囲にいないため、リスクが高まります。
訪問販売や特殊詐欺の電話にも気づかず、被害に遭うケースも報告されています。
聴覚情報の減少は、認知機能の低下にも直結します。
耳から入る情報が減ると、脳への刺激が減り、記憶力や判断力が衰えやすくなります。
会話が減ることで言語能力も低下し、さらにコミュニケーションが困難になるという悪循環に陥ります。
インターホンが聞こえないという事実は、こうした複合的なリスクの入り口なのです。
また高齢者のインターホンが聞こえない問題の原因に、昼間のテレビの大音量のこともよくあります。
まずはテレビの大音量問題も調べてみてください。
みみガットくなった高齢の親のテレビの音がうるさい! それってかなりのストレスになります。 同居の高齢の両親 少し耳が遠くなってきたかもしれない旦那 リモートワークで自宅で仕事をしているのに やっと家事が終わって一息ついたところなのに 「もぉー!ちょっとテレビの音を小さくしてよ!」 ときつく言いたくもなりますよね。
高齢者のインターホンが聞こえない問題でよくある質問と対策
ここまで読んでも残る疑問、具体的な状況での判断に迷う点について、Q&A形式で回答します。
「インターホンが聞こえない時はどうすればいいですか?」という基本的な疑問から、賃貸での対応、費用を抑える方法、補聴器との関係まで、実践的な質問に答えます。
同じ悩みを持つ多くの家族が疑問に感じるポイントを網羅しているため、自分の状況に当てはまる質問を見つけて参考にしてください。
- インターホンが聞こえない時、まず何をすればいいですか?
- 最初に行うべきは、現在のインターホンの音量設定を確認することです。
多くの機種では音量が「小・中・大」の3段階または5段階で調整できます。
説明書が見つからない場合は、メーカー名と型番をインターネットで検索すれば、PDF版の説明書がダウンロードできます。
音量を最大にしても聞こえない場合は、次のステップに進みます。次に、親御さんが実際にいる場所(リビング、寝室など)で、実際にインターホンを鳴らしてテストしましょう。
テレビをつけた状態、消した状態の両方で試し、どの程度聞こえているかを確認します。
本人に「聞こえた?」と聞くだけでなく、反応のスピードや確実性も観察してください。これらを試しても解決しない場合は、補助機器(ワイヤレスチャイム、光通知機器)の導入を検討します。
予算3,000円から試せるため、まずは低コストの方法から始めましょう。
それでも不十分なら、スマホ連携型や本体交換など、より本格的な対策に進みます。
段階的に進めることで、無駄な出費を避けられます。
< - 賃貸マンションでも対策できますか?
- 賃貸住宅でも対策は可能です。
工事不要の補助機器を選べば、壁や建具を傷つけずに設置できます。
ワイヤレスチャイムは玄関に送信機、部屋に受信機を置くだけで使えます。
光通知機器も卓上タイプなら、コンセントに差すだけで設置完了です。
どちらも退去時に原状回復が必要ないため、賃貸でも安心して使えます。インターホン本体の交換は、基本的に管理会社や大家の許可が必要です。
ただし、老朽化が原因で交換が必要な場合、大家側が費用を負担してくれるケースもあります。
まずは管理会社に「インターホンの調子が悪い」と相談してみましょう。
高齢者の安全に関わる問題であることを伝えれば、理解を得やすくなります。スマホ連携型のカメラを玄関に設置するタイプも、賃貸で使えます。
ドアスコープ(のぞき穴)に取り付けるタイプ、
ドアに貼り付けるタイプ
など、工事不要の製品が増えています。
ただし、共用部分(玄関ドアの外側)に設置する場合は、管理規約を確認し、必要に応じて許可を取りましょう。 - 費用を抑えたい場合のおすすめ対策は?
- 最も費用対効果が高いのは、ワイヤレスチャイムの増設です。
3,000円程度から購入でき、工事不要で設置できます。
親御さんがよくいる部屋に受信機を置くだけで、玄関から離れた場所でもインターホンの音を聞けるようになります。
電池式を選べば、コンセントがない場所にも設置できます。音量調整だけで解決する場合もあるため、まずは無料でできる設定変更を試しましょう。
音量を最大にする、
音色を低音で長めに変更する、
これだけで改善するケースは少なくありません。
取扱説明書がなくても、メーカーのウェブサイトで検索すれば、設定方法がわかります。複数の補助機器を比較検討する時間があるなら、ネット通販のレビューを参考にしましょう。
実際に高齢者の親のために購入した人のレビューには、「音量は十分か」「設定は簡単か」「電池はどのくらい持つか」など、実用的な情報が多く含まれています。
失敗を避けるために、購入前に他の利用者の声を確認することをおすすめします。 - スマホ連携型の設置は自分でできますか?
- スマホ連携型のインターホンには、DIYで設置できるタイプと、電気工事士による工事が必要なタイプがあります。
既存のインターホンを交換する製品は、電気配線をいじるため、電気工事士の資格が必要です。
自分で設置すると法律違反になり、火災などのリスクもあるため、必ず専門業者に依頼しましょう。一方、玄関に別途カメラを設置するタイプ(ドアスコープ取付型、ドア貼付型、玄関置き型など)は、DIYで設置できるものが多くあります。
Wi-Fiに接続し、スマホアプリで設定するだけで使えます。
設定手順は製品の説明書やメーカーのサポート動画で確認できるため、スマホの基本操作ができれば問題ありません。設置前に確認すべきポイントは、自宅のWi-Fi環境です。
玄関までWi-Fiの電波が届いているか?
スマホのWi-Fi設定画面で確認しましょう。
電波が弱い場合は、Wi-Fi中継器(3,000円程度)を設置すれば改善します。
また、スマホアプリの設定には、メールアドレスやアカウント登録が必要な場合が多いため、事前に準備しておきましょう。 - 補聴器をつけていてもインターホンが聞こえないのはなぜ?
- 補聴器は主に会話に必要な音域(500?2,000Hz)を増幅するよう調整されているため、インターホンの高音域(2,000?4,000Hz)は十分に増幅されていない可能性があります。
人の声とインターホンの音では周波数帯域が異なるため、会話は聞こえてもインターホンは聞こえないという現象が起きます。対策は、補聴器店や耳鼻科医に相談し、インターホンの音域も増幅するよう再調整してもらうことです。
ただし、高音域を増幅しすぎると、日常生活の音(食器の音、紙をめくる音など)がうるさく感じられることがあります。
調整には時間がかかるため、何度か通院して最適な設定を見つける必要があります。もう一つの方法は、インターホン側を補聴器対応タイプに変更することです。
一部のメーカーでは、補聴器使用者向けに周波数帯域を低音寄りに調整した製品を出しています。
購入前に、使用している補聴器のメーカーと型番を伝え、互換性を確認しましょう。
また、補聴器を外している時間(就寝中など)のために、光や振動で知らせる補助機器も併用することをおすすめします。 - 本人が「大丈夫」と言い張る場合は?
- 本人が問題を認めない場合、まずは実際にインターホンを鳴らして確認することから始めましょう。
「念のため確認させて」と軽いトーンで提案し、親御さんがリビングや寝室にいる状態で、玄関のインターホンを鳴らします。
本当に聞こえているか、客観的な事実を確認することが重要です。それでも「聞こえてる」と主張する場合は、第三者の意見を借りましょう。
ケアマネージャー、地域包括支援センターの職員、かかりつけ医など、専門家から「最近の高齢者はインターホンが聞こえにくくなる方が多いので、念のため確認しましょう」と言ってもらえば、素直に受け入れやすくなります。
家族が言うと反発しても、専門家の言葉なら聞くケースは多くあります。「困った実例」を具体的に見せることも効果的です。
宅配便の不在票が溜まっている写真、宅配業者から「何度鳴らしても出なかった」と言われた事実、
近所の人から心配されたエピソード
など、現実を可視化しましょう。
ただし、責めるのではなく「こんなことがあって、私も困ってるんだ」という困りごとの共有として伝えることが大切です。
みみガットくなった高齢の親のテレビの音がうるさい! それってかなりのストレスになります。 同居の高齢の両親 少し耳が遠くなってきたかもしれない旦那 リモートワークで自宅で仕事をしているのに やっと家事が終わって一息ついたところなのに 「もぉー!ちょっとテレビの音を小さくしてよ!」 ときつく言いたくもなりますよね。







